雇用保険の制度を利用し、再就職に役立てよう

退職した際にもらえる「失業保険」という言葉は、皆さん一度は聞いたことがあると思います。これから利用する方や、詳しいことまではわからない方のために詳細をご紹介します。そして、雇用保険制度の理解を深め、上手に利用しながら再就職活動の役に立てましょう。

目次

雇用保険って?

雇用保険とは、雇用主と社員が規定に応じてそれぞれの割合で保険料を負担し、失業中の生活の保障に当てるという保険制度です。 政府管轄の制度で、労働者を雇用する事業は原則として加入義務があります。 給与明細をみてみると「雇用保険」という欄があり、毎月の給与から保険料が引かれているかと思います。

厚生労働省による雇用保険の目的を要約すると以下の通りです。

1、労働者が失業した場合、生活及び雇用の安定と就職の促進のために失業等給付を支給する。

2、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発や向上その他労働者の福祉の増進を図る。

雇用保険と失業保険の違い

雇用保険とは、失業時など雇用に関する手当てを給付する保険制度です。 「雇用保険」より「失業保険」の方がなんとなく馴染みがある言葉かもしれません。

しかし、私たちが普段「失業保険」と話したり聞いたりするこの言葉は、正式な名称でないことをご存知ですか? 雇用保険の中には「求職者給付」という手当てがあり、これが一般的に「失業保険」とよばれています。 私たちが失業保険と認識している内容は、何らかの理由で退職した際にもらえるお金のことですね。 これは雇用保険の制度の一部である「基本手当」のことです。 それを行政やハローワークで正しくは「失業給付」といいます。 実際に雇用保険給付についての説明会などでは「失業保険」ではなく「失業給付」と呼ばれています。 つまり、雇用保険と失業保険の違いは、雇用保険の制度の一部であり、表現方法が違うということですね。

退職したら誰でも受給できる?

失業給付(失業保険)は再就職支援のためにある制度です。 自己都合での退職、または解雇・会社の倒産、定年などで職を失った場合に「新しい仕事がみつかるまで」の生活保障のための給付金です。

ですので、失業保険の給付条件として「就職したいけれどできていない」状態であることが必須です。働く意志があり働ける環境が整い、就職活動をしていなければなりません。 つまり、退職すれば誰でももらえるわけではなく再就職を希望していない人は「失業」とは認められないため、失業保険はもらえません。 例えば、しばらくは働かずに別のことがしたい人、結婚を機に専業主婦になる人など「就職活動を行っていない」方は申請に行ったとしても原則対象外となります。

逆に再就職を希望している方なら基本的には誰でも失業保険の給付金を受ける権利があります。この権利のことを「受給資格」と呼び、その受給資格を持つ人のことを「受給資格者」と呼びます。

雇用保険はアルバイトでも加入できる?

雇用保険の資格は、正社員やアルバイトといった雇用形態にかかわらず一定の条件により加入することができます。

雇用主は基本的に加入義務がありますので、「アルバイトだから雇用保険の失業保険がもらえない」と思っている方も多いかもしれませんが、一度下記の加入資格があるかどうかを確認してみましょう。

1、1週間の所定労働時間が20時間以上
2、31日以上の雇用の見込みがある(試用期間や研修期間も含みます。)

※1と2の両方の要件を満たす必要があります。

ですので、短期のアルバイトや週に少しだけしか働かない場合などは、雇用保険の加入資格はありませんが、上記の条件を満たしていればアルバイトでも雇用保険に加入できるので、失業保険の受給資格があります。

失業給付(失業保険)の申請の流れ

失業保険の申請から受給までの流れを簡単に説明すると以下の通りです。

1、書類の準備

失業保険が給付されるためには、退職した会社から労働中の賃金や退職理由を証明する雇用保険被保険者離職票、雇用保険者であったことを証明する雇用保険被保険者証を受け取ります。

2、ハローワークで手続き

管轄のハローワークで必要書類を用意し、失業保険の受給資格を得る手続きを行います。 そして、雇用保険受給者の初回説明会に参加します。

3、毎月ハローワークへ

4週間おきに失業状態であることの申告するための「認定日」にハローワークに出向き、就職活動状況を報告します。その確認の後約1週間後に指定の口座に失業保険が振り込まれます。 この認定日は、ハローワークで「就職活動を行っているが就職が決まっていない状態である」ことを認めてもらう意味がありますので、必ず行かなければなりません。

※参考:ハローワーク/厚生労働省ホームページ

退職理由(会社都合と自己都合)

受給にあたり、退職理由により受給期間や金額、開始時期が異なります。

会社都合とは

事業主側が会社の都合(倒産、リストラ、その他会社の都合)などを理由に一方的に労働契約を解除することです。早期退職制度の場合を利用して退職した場合は、その制度利用により扱いが異なります。早期退職優遇制度は自己都合になることが多く、人員整理などによる希望退職募集に応じた場合は「会社都合」になることもあります。

自己都合退職とは

労働者側が自己の都合による理由(転職や結婚、家庭の都合やその他の理由)で退職を自ら申し出ることです。

受給についての違い

会社都合での退職の場合、自己都合に比べて 失業給付金(失業保険)の支給が優遇されています。 自己都合退職の場合は、7日間の待機期間という期間を経て、3ヶ月間の給付制限が設けられます。 給付金を受け取ることができるのは待機期間+3ヶ月後となります。

会社都合の場合は、3ヶ月の給付制限がありません。実際に給付金が振り込まれるのは約1ヶ月後となります。また、給付期間も異なります。雇用保険の被保険者期間や年齢などによっても日数は異なりますが、自己都合の給付日数90~150日に比べて、会社都合の給付日数は90~330日と長く設定されています。従って給付される金額も異なってきますね。

派遣社員の場合(契約終了)

派遣社員も当然、失業給付金(失業保険)を受け取ることができます。
通常の契約満了の場合、更新を希望したけれど更新できなかった場合で、契約期間満了日から1ヶ月以内に新しい仕事を紹介されなかった場合は「会社都合」扱いとなります。但し、例外や条件もありますので注意が必要です。

上記に述べた以外でも、さまざまな理由や例外が発生する場合は管轄のハローワークに相談してみてください。
例えば、自業主と離職者で主張が違う場合は、事業主一方の主張のみで判定するわけでもなく慎重に判定がなされます。

公共職業訓練を活用しよう

公共職業訓練とは、求職者が早期に就職できるよう就職に必要な技能や知識を身に付けるために「独立行政法人雇用、能力開発機構、各都道府県の自治体」などが行っている職業訓練という制度のことをいいます。 この職業訓練は、失業保険(失業給付金)をもらっている方なら誰でも受講資格がある制度です。

職業訓練は、コースが充実している!

医療・調剤事務・経理事務などの事務、介護など福祉関係、IT、調理師、印刷総合技術などさまざまなコースが用意されています。 また、ネイリストや靴プランナー、インテリアリフォームなどこんなコースまであるの?というくらいコースは大変充実していますよ。

そして、介護福祉士養成学科など長期で専門学校で学べるコースもあります。
さらにコース終了後には就職サポートもしてくれる場合もあり、手に職を付け再就職を目指す方によっては非常にありがたい制度といえます。 退職を機に、長く働き続けられる仕事に就きたい、手に職をつけたいと考え、企業の採用試験を受けるだけでなくこういったコースを受講し、就職に繋げる方が増えています。

また、貿易実務ではビジネス英語が学べる授業や、英語ビジネス科といった英語を学べるコースもあります。

※コースの内容は地域により異なります。

これらの中から自分が学びたい興味を持ったコースを希望し、学べることができます。公共職業訓練のコースは、1カ月、3カ月、半年、1年間、2年間などさまざまな期間学べるコースがあります。 但し、人気の訓練は応募者も多く、面接などもあり希望者全員が必ず受講できるわけではありません。 

さらに、この公共職業訓練にはたくさんのメリットがあることをご存知ですか?

職業訓練のメリット

・自己負担金ゼロで講習が受けられる!

公共職業訓練校の最大のメリットは、国が補助金を出してくれるので、専門学校に行くと高額な費用がかかる内容も無料で学べるということです。 たくさんのコース内容から自分の学びたい分野、就職したい分野を選ぶことができます。
※教材費等は自己負担となります。

・給付制限が免除される

通常、自己都合で会社を退職した場合、すぐに給付金がもらえるわけではありません。3ヶ月間の給付制限があるため、3ヶ月を待ち支給されることになります。その間次の仕事が決まらなければ、収入がない状態となります。 公共職業訓練に通った場合、この給付制限が免除されるために、自己都合で退職した場合でも3カ月間を待たずにすぐに失業手当(失業給付金)が支給されるのでありがたいですね。

・給付期間が延長される

公共職業訓練が失業保険の給付期間を超える場合、訓練修了まで給付を延長することができます。以下の例を参考に考えてみます。

給付例

勤続年数10年未満で自己都合で退職した場合→失業保険は90日間支給

30日間失業保険が支給されたあとに180日間の公共職業訓練を受けた場合

●通常の場合:「90日-30日=残り60日間分が支給される」

●半年間の公共職業訓練を受けた場合:本来は残りの60日で給付終了→公共職業訓練は「訓練期間180日-60日=残り120日間」あるので、その間も失業保険が支給されます。

本来の90日間だった給付期間は、120日間を加えた210日間分の失業保険が支給されるというわけですね。

・受講手当がもらえる

公共職業訓練校によっては「通所手当、受講手当」などが失業手当とは別に支給されます。

受講手当は食事代、通諸手当は交通費のことを意味します。では、実際に給付されている例をみてみましょう。

給付例

1、受講手当:1日約500円程度(2016年時点)/2、通所手当:1日1,000円程度が支給されます。

失業保険の給付金が1日6,000円の方の場合:失業給付金と上記手当を合わせて1日合計7,500円が支給されることになります。
(※失業給付金額は人それぞれ違います)

また「寄宿手当」という遠方などの理由で扶養中の家族と別居して通学する場合の手当てもあります。

※受講手当ての支給に関しては、失業保険の給付期間とは別に定められている場合があります。

・認定日にハローワークへ行かなくてよい

公共職業訓練を受けると、失業保険の受給手続きの中で免除されることがあります。 離職した方は失業保険を受給するために「失業認定日」という決められた日に毎月ハローワークに行き、職員と面談をして就職活動状況などを報告しなければなりません。 しかし、公共職業訓練を受講すると、訓練校側が手続きを一括して代行をしてくれるので、認定日にハローワークに行く必要がありません。平日にハローワークへ行く必要がなくなるので、勉強に専念できますね。

・離職中にたくさんの方と出会える

受講するコースによっては、20代〜50代の方の幅広い世代が同級生として一緒に学ぶことになります。いろいろな経験を持った人と出会うことで、今までになかった価値観や世界を知ることができ、公共職業訓練校で学ぶこと以外でも得るものがあるかもしれません。

自分で希望して退職した方ばかりでなく、会社都合などさまざま理由で失業中となっている場合があり、不安で精神的に苦しい時期もあるかもしれません。そんな時もひとりで就職活動だけを続ける日々よりも相談しあえたり、卒業後も近況報告しあえたりする仲間ができることもあり、こういった経験は職業訓練校ならではかもしれませんね。

※公共職業訓練についてはハローワーク調べ(2017年)

再就職手当を申請しよう

・再就職手当ってどんなもの?

再就職手当とは、雇用保険(失業手当)を受給している人が、ある一定の支給期間を残して、就職または事業を始めた場合に支給される手当のことです。就職お祝い金のようなものでもありますね。
支給日数を3分の2以上残して再就職した場合、基本手当の支給残日数分の60%、3分の1以上残していた場合、基本手当の支給残日数分の50%が再就職手当として支給されます。 早く再就職するほど給付率が高くなります。 できるだけ早く就職できるようにサポートするための制度ですので、該当する方は忘れずに申請しましょう。

・再就職手当がもらえる条件とは?

再就職手当を受給するには下記のようないくつかの条件があります。

•就業についた日の前日において基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること

•離職前と同じ事業主に再び雇われたものではないこと

•失業保険の手続きをする前に、雇われるということを前提(内定)とされていないこと

•給付制限期間が開始してから1ヶ月以内の再就職の場合は、ハローワーク等で紹介で就職した事であること 
(※給付制限期間を1ヶ月経過していれば、ハローワーク等以外の紹介による就職でも対象となります。)

•再就職の日前の3年間において再就職手当をもらっていないこと

•事業を開始した場合は一定の条件を満たす者

・申請について

再就職した日の翌日から1ヶ月以内に手続きしないといけません。再就職手当支給申請書に就職先事業主の署名と捺印をもらい、雇用保険受給資格者証と一緒に本人または代理人がハローワークに提出する流れです。 また、再就職手当を受けた場合に、「就業促進定着手当」という手当が支給される場合もあります。こちらも条件などを必ず確認して申請しましょう。

・就業促進定着手当

再就職手当の支給を受け、再就職先に6か月以上雇用され、再就職先での6か月間の賃金が、離職前の賃金よりも低い場合に、基本手当の支給残日数の40%を上限として、低下した賃金の6か月分を支給するものです。

・就業促進定着手当がもらえる条件

次の要件をすべて満たしている方(細かい条件や例外は管轄のハローワークにて確認してください)

① 再就職手当の支給を受けていること

② 再就職手当の支給を受けた再就職の日から、同じ事業主に6か月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていること(※)

③所定の算出方法による再就職後6か月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額を下回ること

雇用保険は国の制度であり、自ら保険金を負担している生活保障のための権利ですので、すぐに再就職できずに失業期間がある場合は必ず申請しましょう。失業中は何かと不安になるものですが、お金の問題だけでも安心したいものですね。基本的には「再就職を応援する」ためにたくさんの制度があります。申請忘れのないよう、必ずチェックしてみてください。

そして、場合によっては公共職業訓練も利用し、自分自身の再就職活動を成功させてください。 しかし、何ヶ月も学ぶということは決して楽なことではありません。「無料だから」と安易に申し込むのではなく、国の制度をうまく利用しながら自分のスキルを高めることを目標に、真剣に取り組みましょう。そして、最終的に納得のいく再就職に繋げられるといいですね。

上記の内容は、ハローワークで調べた内容ですが、雇用保険制度は法改正により変更もあります。(2017年4月に一部改正されました)
また、受けられる方の条件によっては、さまざまな例外や制度も用意されています。
実際に受給される際に、お住まいの都道府県の管轄のハローワークで直接確認してください。

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