システムエンジニアの仕事

仕事内容
システムエンジニアという仕事は、このところかなり一般的になってきた仕事ではないでしょうか。
みなさんも一度は聞いたことがあると思います。それでは、システムエンジニアという仕事は具体的に何をする仕事かと聞かれると、答えるのが難しいという人も多いと思います。
システムエンジニアの仕事は、分かりやすくいうとコンピューターのシステムなどの設計や施工管理をする人のことです。工事現場で言えば、現場監督にあたるのがシステムエンジニアの仕事というわけです。
また、よくプログラマーとシステムエンジニアとを混同してしまう人もいますが、ここでシステムエンジニアとプログラマーの違いをお話ししておきます。
プログラマーは、名前の通りコンピューターのプログラムを書く仕事です。対して、システムエンジニアは設計書を元にプログラマーにどのようなプログラムを書いて欲しいかの指示を出す仕事です。分かりやすく示すと、仕事の流れは以下の通りになります。
システムエンジニア
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サイトやプログラム全体のデザイン設計
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設計を元にどのようなプログラムを書いてほしいかをプログラマーに発注
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プログラマー
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発注書通りにプログラミングをする
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システムエンジニア
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プログラミングをチェック、適宜修正の指示を出す
↓
プログラマー
↓
修正(以下、チェックと修正を繰り返し)
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プログラム完成
上記のような流れになります。どちらが立場が上ということはありませんが、システムエンジニアが設計し、プログラマーに発注するという流れはどの現場でも変わることはありません。
資格について

システムエンジニアになるために必須の資格はありません。しかし、未経験の場合、何の実績もありませんから、自分の能力を示すものが欲しいと考える人も多いと思います。そんな時に役立つのが、資格です。この項では、システムエンジニアへの就職や昇進に役立つ資格についてお話ししていきます。システムエンジニアに役立つ資格は数多くありますが、代表的なものは以下の3種類です。
- 基本情報技術者試験
- システムアーキテクト試験
- ネットワークスペシャリスト試験
上記のいずれも国家資格です。この項では、最も受験者数が多い基本情報技術試験に焦点を絞ってお伝えしていきたいと思います。
基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が行っている国家試験です。IT技術者の力量を図る試験の中では一番難易度が易しいとされています。しかし、実際の合格率は約20%と準備をしっかりとして臨まないと合格することは難しい難関試験です。
基本情報技術者試験の概要は以下の通りになります。
試験日程:毎年、春・秋2回。例年4月と10月に実施
試験時間:9時30分~12時、13時~15時30分
試験範囲
- 基礎理論(離散数学、応用数学、情報に関する理論、通信に関する理論計測・制御に関する理論)
- アルゴリズムとプログラミング(データ構造アルゴリズム、プログラミング、プログラム言語、その他の言語)
- コンピューター構成要素(プロセッサ、メモリ、パス、入出力デバイス、入出力装置)
- システム構成要素(システムの構成、システムの評価指標)
- ソフトウェア(オペレーティングシステム、ミドルウェア、ファイルシステム、開発ツール、オープンソースソフトウェア)
- ハードウェア
- ヒューマンインターフェース(ヒューマンインタフェース技術、インタフェース設計)
- マルチメディア(マルチメディア技術、マルチメディア応用)
- データベース(データベース方式、データベース設計、データ操作、トランザクション処理、データベース応用)
- ネットワーク(ネットワーク方式、データ通信と制御、通信プロトコル、ネットワーク管理、ネットワーク応用)
- セキュリティ(情報セキュリティ、情報セキュリティ管理、セキュリティ技術評価、情報セキュリティ対策、セキュリティ実装技術)
- システム開発技術(システム要件定義、システム方式設計、ソフトウェア要件定義、ソフトウェア方式設計・ソフトウェア詳細設計、ソフトウェア構築、ソフトウェア結合・ソフトウェア適格性確認テスト、システム結合・システム適格性確認テスト、導入、受入れ支援、保守・廃棄)
- ソフトウェア開発管理技術(開発プロセス・手法、知的財産適用管理、開発環境管理、構成管理・変更管理)
- プロジェクトマネジメント(プロジェクトマネジメント、プロジェクト統合マネジメント、プロジェクトステークホルダマネジメント、プロジェクトスコープマネジメント、プロジェクト資源マネジメント、プロジェクトタイムマネジメント、プロジェクトコストマネジメント、プロジェクトリスクマネジメント、プロジェクト品質マネジメント、プロジェクト調達マネジメント、プロジェクトコミュニケーションマネジメント)
- サービスマネジメント(サービスマネジメント、サービスの設計・移行、サービスマネジメントプロセス、サービスの運用、ファシリティマネジメント)
- システム監査(システム監査、内部統制)
- システム戦略(情報システム戦略、業務プロセス、ソリューションビジネス、システム活用促進・評価)
- システム企画(システム化計画、要件定義、調達計画・実施)
- 経営戦略マネジメント(経営戦略手法、マーケティング、ビジネス戦略と目標・評価、経営管理システム)
- 技術戦略マネジメント(技術開発戦略の立案、技術開発計画)
- ビジネスインダストリ(ビジネスシステム、エンジニアリングシステム、e-ビジネス、民生機器、産業機器)
- 企業活動(経営・組織論、OR・IE、会計・財務)
- 法務(知的財産権、セキュリティ関連法規、労働関連・取引関連法規、その他の法律・ガイドライン・技術者倫理、標準化関連)
上記で分かるように、出題範囲や出題項目は非常に多岐にわたります。とても付け焼き刃の知識では対応できません。受験する場合は、きちんとした準備期間が必要です。
ちなみに、基本情報技術者試験の上級試験に「応用情報技術者試験」という試験があります。この資格を取得すると、IT技術者として大きく未来が開けますが、合格率10数%とよりハードルの高い試験になっています。
※参照:情報処理推進機構のホームページ
就職・転職活動
結論から言うと、システムエンジニアの仕事は現在の人材市場から言うと超売り手市場です。スキルが高ければ高いほど、高待遇でスキルアップができる千載一遇のチャンスです。これはなぜかというと、端的に言えば、高いスキルを持つシステムエンジニアの人材が足りていないということにあります。
IT技術は日進月歩の勢いで進化しています。その進化に対応する人材が育っていないのです。世界的に高いスキルの技術者は不足していますが、日本における技術者不足は特に深刻です。2016年のIT白書によると実に90%もの企業が人材不足に悩んでいるという報告がされています。
それだけに今は未経験でも参入しやすいですし、高いスキルを持っていれば持っている人ほど高待遇での転職が可能になっています。これからシステムエンジニアを目指す皆さんは、少しででも高いスキルを身に着けて、より高待遇の職場を目指してください。
経験のあるエンジニアを採用したい企業はたくさんあります。これまで行ってきた実績と、今後行いたい開発等を明確にして、転職活動に臨むとよいでしょう。また、エンジニアは技術者としての能力さえあれば良しというだけでなく、コミュニケーション能力なども問われることも多くなりました。技術者自らクライアントと打ち合わせを行うこともありますので、技術面だけでなく人と話す力などもあれば、転職先の幅は広がるといえますね。